シャツを作る、仕立てる人たち。パートナー工場を紹介「生田プリーツ」さん

シャツを作る、仕立てる人たち。パートナー工場を紹介「生田プリーツ」さん

nunocoto wearの服はどこでどう作られるのか

セミオーダーの柄シャツ。
こう耳にした印象はどうでしょうか?

なんかおもしろそうだね、そんな風に思っていただけたら嬉しいのですが、
さすがにこれだけで買っていただけるとは思っていません。

こと服に関するだけでも、多くの選択肢があることを知っている堅実な消費者の方々にお伝えしたいのは、

ちゃんと、すごく、いいものです。

ということ。

そのためには、できる限り、いえ、全てを明示していきたい。

(得体の知れないものはやっぱり不安ですよね)

とりわけ、いったい誰が作ってくれるのか。どんなところで作られているのか。

そこが最も大切なのではないかと思いました。

今日は、その、柄シャツを仕立ててくれる人たちをご紹介します。

シャツの型紙。いつ作ってもいくつ作っても同じ形に仕上げるには熟練のスキルが必要。

モノが存在するからには、それを生み出す人間、作る人間が存在するということ。

ボーダーレスかつジェンダーレスな明るいプリーツ・縫製工場、生田プリーツさん。

埼玉県吉川市。

周りをのどかな田畑に囲まれた静かな住宅街に立つ、広々とした縫製工場が生田プリーツさんです。

nunocoto wearの服たちはここで、1枚の柄生地から立派なシャツへと仕立てらえています。

清潔で明るい生田プリーツさんの縫製場。毎日、20~70代の職人さん、従業員さんたち十数名が腕を振るって製作にあたっている。

従業員さん同士の意見交換は活発に行われる。こんな光景はしばしば。それぞれ工程ごとに担当を決めることが多いが、基本的には作るアイテムやクライアント案件ごとに1つのチームを編成して進められているよう。効率的でかつミスに気付きやすい体制が特徴。

生田プリーツの代表取締役社長を務める、生田貴之さんにお話を伺いました。

 爽やかな出で立ちと親しみのある雰囲気、そして「聞く」に徹する姿勢で、従業員の皆さんから信頼を集める2代目社長の生田さん。

SNSで垣間見えるユーモラスな一面はそのままに(TwitterなどSNSの更新も生田さんご自身が担当されてます)、仕事への誠実で真摯な向き合い方には背筋が伸びる思いです。

とにかくフロアの中や外を、歩く。生田さん。 

-いつもこんな風に従業員の皆さんに声をかけられていらっしゃるのですか。

「そうですね。みなさんの邪魔にならない程度に歩き回って様子を見たり、逆にこれどうしたらいいと思いますかって職人さんに相談させてもらうことも多あります。現場を見ていると、スタッフさん1人1人の、技術や段取りのレベルアップが見えてきたり、なんでしょう、あ、ひとつ壁超えたな。という感触が分かります。特に新人さんとか。縫製のスピードが格段に上がったな、とか」

シャツを作り続けて50年の大ベテラン、岡田さん。

「シャツというのは、シンプルなだけに奥が深い。パーツも多いし縫製箇所も多い。職人の腕の見せどころですよね。岡田さんは震災をきっかけにうちに来てくれたのですが、高い技術力を少しずつ若い人に伝えてくださっています」

-とても小さなパーツをアイロンでプレスしていますね

「袖口の折り返しのところですね。どの服もそうですが、シャツは特に、このアイロンプレスが仕上がりのクオリティを左右します。アイロンは服作りの真髄なんです」

工程ごとに選任を付ける。一定のクオリティを保ち続ける秘訣かもしれない。

生田プリーツさんの工場では、女性の姿が多くみられる。娘さんとお母さん、ぐらい年の離れた職人さんが同じチームで製作にあたることは日常茶飯事。どのチームも、互いへの尊敬で成り立っているように見えた。

-従業員の皆さま、すごく雰囲気がいいですね!

「みんな仲は良いと思いますよ。年は離れているけど、技術を教え合ったりサポートし合ったり。学生のインターンも受け入れているのも、これからの縫製業界を担う人材を育てたいという目的ももちろんありますが、現場の従業員にとっても、すごくいい影響があると思っています」

-学生さんもいらっしゃっているのですね

「そうです。インターンの募集をするとすぐに埋まるので僕も驚いています。ベテランの職人さんに直接教えてもらえる機会って普通はあまりないから、そこが魅力と思ってもらえていたらいいんですけど」

多様性、を地でいく縫製工場。それが生田プリーツさん。きれいに並べられた下駄箱がなぜか気になって、一度戻って撮影。

-いや、普通ないですよね。直接の縫い方指導はもちろんですが、工業用のミシンやプレス機に触れることができるだけでも貴重なのではないでしょうか。

「若い子が入ってそれで(ベテランさんが)その子に教えることで気付くこともありますからね。お互いにとっていい循環になればと思っています」

何度も言うけれど、フロア全体に溢れる清潔感。ぴかぴかに綺麗、というのは少し違う。整っている、という言葉が似合う。それでいてすごく自然体。モノづくりの現場として理想の空間かもしれないと思う。こんなところで生命を吹き込まれるシャツは幸せだ。

もともとはプリーツ専門だった(そして今もまた)

社名の通り、創業時からずっと、生田プリーツさんの事業のメインは、プリーツ加工でした。

プリーツって、あまり日常の中では馴染みがないのでは?というような印象もあるけれど、いえいえちゃんと身近にあるんです。

たとえば制服のプリーツスカート。

それからカーテンもそうですね。そしてアパレルのプリーツスカート。

均一であることが求められるプリーツ加工では、高い技術力と高価な機械など、縫製以上に専門性が必要となります。

この専門性が強み。

 プリーツ加工を一途に続けながらも、その傍らで縫製業の請負を広く取り入れ、会社としての事業規模を高めてきました、と生田さん。

 こんな風に、プリーツ加工はとにかくアナログな作業がベースになっています。プリーツ加工専門の職人さんの手と感度によるところが大きく、簡単に異業種から参入することはできません。

だからこそ、守り続ける価値がある。

生田さんはこれからも、縫製業と並行して、またはそれ以上に、プリーツ加工に注力していきたいと語ってくれました。

「プリーツ加工の可能性はもっと広げられるはずだと思っています。会社としては、(うちが)その先頭に立っていけるんじゃないかと。だから、プリーツ加工の服はもちろん、小物とかオリジナルブランドなども展開していきたいんです。個人的に言えば、縫製業も含めてもっと大きな尺度、ものづくりとして捉えてもいいのかなと。そして様々な面白いことにチャレンジしてみたいと思っています。今回のnunocoto wearさんのような、新しいことを始める方と一緒に何かをするのも、面白そうだなと思って」

-…ありがとうございます!!

「お引き受けするにあたってはスタッフみんなにも相談したんですよ。そうしたら、皆一様に『柄シャツいいね!やってみたい!』と言ってくれました。今までにない試みだし、スタッフのモチベーションアップになることは会社としても嬉しいことですから」

-実際に作ってくださる方々からそんな風に言ってもらえるのは、、、すごく嬉しいです!

コロナ禍の際の地元キャラのオリジナルマスクを販売したときのように、生田プリーツさんの事業のベースは、地元吉川市への還元や地域社会への貢献にある。それは製品であったり雇用であったり。

 

「技術を繋げていくこと。僕の仕事は、まあ、ひとことで言えばそれですかね」

 プリーツと縫製と。地域社会と。

常にそれぞれの未来、役割のことを考える生田プリーツさん。きっと、とにかく忙しいはず。

なのにどんと構えていて、お仕立てはひたすらに丁寧で。ボタンホールに至るまで、本当に素晴らしく仕上げてくださいます。

こんな方々が、nunocoto wearのシャツを、1枚1枚作ってくれています。

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